大阪で創業される方必見!節税と金融機関対応について

更新日:2019年1月29日


事業を継続していく上では、資金繰りには十分に注意する必要があります。そこで経営者の方が資金繰りを潤沢にする方法として思いつくのが、節税というキーワードではないでしょうか。余計な税金は資金繰りを圧迫するからできる限り税金については支払いたくない。

よって、節税について色々と考えておられます。


節税とは、税金を節約する。とのことですが、節税の方法としては主に以下の3つが考えられるかと思います。


1.経費を増やすことにより、利益が減少し、結果として税金が少なくなる。

2.税法上の特典を利用することにより、税金の支払いを抑える。

3.法人と個人を巧みに利用することにより、税金の支払いを抑える。


1.経費を増やすことにより、利益が減少し、結果として税金が少なくなる。


この方法を節税の方法として考えられる方が一番多いかと思います。対策として考えられるのは、下記のものになります。


(1) 30万円未満の備品を購入する

青色申告の中小企業者は年間300万円までは、10万円超の資産計上を要する備品等の購入であっても、全額経費計上が可能なため、極端な話、決算日に購入(納品までが必要ですが)すれば、経費となり、利益を抑えることが可能となります。(しかし、本制度を採用した場合でも償却資産税の申告上は資産の取得となることが10万円から20万円までの一括償却資産の3年均等償却とは異なりますので注意が必要です。)


(2) 中古の自動車を購入する

自動車の取得代金は経費になりますが、金額が高額となること、使用期間が1年を超えるものであるため、支払時に全額経費とはなりません。一般車の場合は耐用年数が6年と決められています。120万円の新車を購入した場合には120万円÷6年=20万円が1年分の経費となります。同じ120万円の自動車であっても6年落ちの中古車を購入した場合は耐用年数が最低限の2年となり、120万円÷2年=60万円が経費となります。しかし、購入初年度は使用期間による月割り計算を行う必要があるので、決算日前後の購入となると効果は薄まります。また減価償却の方法を定率法(法人の場合は定率法が原則ですが、個人の場合は定額法が原則のため、変更するには届出が必要となります。)を採用することにより、償却額を最初に多くすることが可能です。(当然ながらトータルの償却費の額は同じです。)


(3) 決算賞与を出す

従業員に決算日までに、賞与の支給額を通知し、決算日の翌日から1か月以内に支払を行い、当該賞与の額を未払計上していれば、支払は後になっても、通知時の経費とすることが可能となります。従業員のモチベーションアップにはなりますが、翌年以後ももらえるものと誤解されるとかえってモチベーションダウンになることもあるため、どの様な業績になると従業員に還元する等のルールを決めておき、モチベーションアップにつながる運用を行う必要があります。


(4) 年払いの生命保険(損金算入される定期保険等)に加入する

短期前払費用の特例で、継続適用が条件となりますが、初年度に年間支払額が経費計上されるので使い勝手は比較的よいです。保険に加入するには健康診断等もあるため、保険会社にいつまでだったら、契約が間に合うかを確認しておく必要があります。


(5) 倒産防止共済に加入する

倒産防止共済の掛金は全額が経費算入され、一定期間経過後に解約した場合には同額が返金されるため、目先の税金の支払いを減らし、課税の繰延が可能となります。


上記の経費増加型の節税での留意点は、本当に必要なものでないと逆に無駄遣いになりかねない点です。よく誤解されるのですが、経費増加型の節税は、使った金額以上に税金が減ることはありません。税率が25%とした場合に20万円のPCを5台購入し、100万円の経費増加を図った場合の節税額は100万円×25%=25万円です。100万円-節税額25万円=75万円についてはキャッシュアウトしていきます。節税というよりも必要なものを何割引きかで安く購入できると捉える方がいいかと思います。


2.税法上の特典を利用することにより、税金の支払いを抑える。


税額控除とよばれるものですが、国が促進していることを実行した場合に通常の支払額が経費となることに上乗せして、支払額等の数%を税額控除という形で税金の一部を軽減することです。


代表的なものは、所得拡大促進税制(従業員の給与を増加させた場合に増加額の一定割合を税額控除する)や設備投資税制(該当設備を購入した場合に購入額の一定割合を税額控除する)などです。


当然、お金の支払いは生じますが、この条件を満たす場合には必ず申告時に選択すべきものとなります。税額控除となるので、所得が発生していることが前提条件となります。


3.法人と個人を巧みに利用することにより、税金の支払いを抑える。


個人事業として事業をされてきた方で、一定の所得(目安は1,000万円位)になってくると、所得税の税率が高くなるため、法人成りを行うことで、法人と個人を合わせて考えると結果的に税金の負担が少なくなる場合があります。


(1) 法人成りして社長に役員報酬を出す

所得税と法人税の税率差を利用することにより、トータルでの税金の負担を下げることを主目的とするものです。所得税は超過累進税率となっており、所得が高くなるにつれ税率も高くなります。所得が900万円超となれば、住民税10%と合計すると43%になります。法人税も所得に応じて税率が少し高くなりますが、所得が1,000万円程度であれば、住民税も合わせての税率は25~27%程度になります。当然所得税も超過累進税率のため所得に占める税金の割合を計算すると所得1,000万円で28%程度となり、ほぼ同水準ではありますが、法人成りのメリットは、社長に役員報酬を出すことにより、社長への役員報酬を損金処理できると同時に給与所得となることで給与所得控除額の恩恵を受けることができるため、事業所得のままより、明らかに税金の負担を下げることが可能となります。しかし、上記記載のとおり、所得があまりないのに、法人成りをすることは税負担の面からすると却って大きくなる場合もあるので注意が必要です。


(2) 社長の配偶者に役員報酬を出す 社長のみにしか役員報酬を出していなかった場合、社長個人の役員報酬に係る所得税は超過累進税率のため、社長の役員報酬を減額し、配偶者に役員報酬を出すことで、適用所得税率が下がり、夫婦ベースでみると所得税の負担額が下がることとなります。しかし、配偶者の勤務実態に見合う報酬の金額に設定しないと過大役員報酬として税務調査時に否認されるため、注意が必要です。

(3) 社宅として法人が居所を借りて、社宅家賃を収受する 会社が居住用の住居を借りて、社宅家賃を社長から収受します。住居の支払家賃が会社の経費となり、収受する家賃が収入となるのですが、広さ等の一定の要件を満たせば、通常の賃料の20%位の賃料設定であれば給与とは認識されません。実質80%部分を会社が負担しているので、所得税の軽減を図れます。 


(4)  旅費交通費規定を作成し、日当を支給する 出張した場合は、通常は交通費分しか経費にはならないですが、旅費交通費規程を作成し、1日当たりの日当を別に支給した場合は、支給額は交通費として経費にはなり、支給を受けた側は給与とはならず所得税がかからないため、給与に比べ所得税の軽減を図れます。ただし、上記記載のとおり、規程を作成し一定のルールを決めておくことに加え、出張に行かれた実績を根拠資料として残しておく必要があります。


4.節税と融資可能額の関係


節税と融資可能額の関係は実は相反するものとなっています。財務データや担保・保証の有無に必要以上に依存することのないように融資を行う様にという「事業性評価融資」の考え方も金融機関に浸透してきておりますが、全てが事業の将来性で評価するということではありません。また、事業の将来性で特別なアピールをできる場合ではないときは、従来の簡易キャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)をベースにした債務償還年数により融資可能額が算定されることとなります。経営者として事業の将来性を評価されるビジネスモデルや内部管理体制の構築も必要ですが、それと同時に融資を受けやすい状況を整えておくことも重要です。

目先の節税に一生懸命になりすぎると、簡易キャッシュフローが目減りし、調達金額も減少する可能性が生じるため、結果として資金調達ができなくなることもあります。余計な税金を払わない節税も大切ですが、会社を継続させることが最大の目標ですから、会社に利益を残すことを念頭に、本当に必要なもので結果として節税となるものを選択すべきです。